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ホテルの話 その4


1999年にインターネットを見て私に旅行に依頼をして来たご家族が二組いらした。一
組は横浜のN様、もう一組は広島のO様、どちらも五名様で、車椅子の方が一人いらっしゃ
る、という話だった。こちらとしては荷物をなるべく小さめにまとめて頂ければ、車椅子
は乗るから大丈夫ですが、ホテルに関しては、ヨーロッパのホテルには結構玄関に段差が
あったり、エレべーターがないホテルがあったりするので、車椅子の人がいるので絶対に
それに合うようなホテルが必要ですよ、とお伝えする。

N様はそれぞれ宿泊する町のホテルのリストを値段も含めて私に送ってよこし、私は、こ
こはいい、よくない、ここが取れなかったらここにしてもよい、というコメントを沿えて
アドヴァイスし、旅行会社を通じて予約してもらう。

O様は、「ホテルは自分達で取るから結構です。」ということなので、「車椅子の人がい
るので旅行会社には絶対にそれに合うようなホテルを取るように、と必ず言っておいて下
さいね。」と連絡する。この話は2〜3回したと思う。

旅行が始まってからは、N様の方はエレベーターがちょっと狭く乗り難かったことを除け
ば全てオーケーだった。車椅子にお乗りになっていたご主人は90キロ近くあり、息子さ
んとお孫さんと私で、「よっこらしょ」とやることはあったが、まずは順調に旅行を終え、
皆さんに本当に喜んで頂けた。

反対にO様の場合は、ご主人が旅行会社に奥様が車椅子を使用している、ということを伝
えたのだが、旅行会社に全くそれを無視された形になってしまった。特にひどかったのが
ローテンブルクとフュッセンのホテルであった。どちらもエレベーターがついておらず、
ご主人、あるいは私が抱えて階段を上らせられる羽目になってしまった。フュッセンに至
っては四階まで私が奥様を抱えて階段を上ることになった(いい運動になった)。私はいい
としても、ご主人は既に60才を超えている。ホテルに「車椅子の人がいる、と聞いてい
なかったのか?」と問いただすと、「そういうことは全く伺っておりません。あらかじめ
知っていたならば、そういうお部屋をご用意致しました。」「うちにはエレベーターがご
ざいません。」という答えだった。手配会社にその旨ファックスを送ると、「車椅子ご使
用の方に関しては、それに合うようなホテルをご用意する保証はできません。」という返
事が返って来た。「長年契約しているホテルであれば、どのホテルにエレベーターがなく
て車椅子の方には向いてない、ということがわかりそうなものだろう…。一応毎年アンケ
ート調査したり、スタッフが見て確認しているのだから。それ以上に、頼んでおいたのに
いつのまにかホテルにその話が伝わっていない。そして保証ができない、という返事はご
まかしだ。」と思う。O様はそれでも旅行自体には満足していらしたようであるが、「帰
ってから、弁償しろ、ということではないが、言うべきことは言わしてもらう。」とおっ
しゃっていた。当然だろう。こういう場合、特にヨーロッパスタイルのホテルは本当に気
をつけないといけない。