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ドイツのリムジンサービス


本来、ドイツでは「リムジンサービス」という表現はない。いわゆる「ハイヤー」という訳だが、
ドイツでは法律的には「MIETWAGEN」という表現をしている。ところがこの言葉、一般的
には「レンタカー」という意味に使用されており、法律的にレンタカーは[VERLEIHWAGEN]
と表現され、これは車のみを貸し出す場合で、運転手付では「MIETWAGEN」とされる。なん
だかややこしい。

それはそれとして、このリムジンサービス会社を起こすのには許可が要る。
その許可を申請する前提として、商工会議所の試験に合格した者、または一定期間
バス会社などの支配人として勤務、あるいは一般旅行取扱者の資格を有する者、
という規定がある。私はこの商工会議所の試験を受けて合格しない事には申請が
ができない、というわけで、この試験に合格した人の教科書などを借り受けて受験勉強
に望んだ。試験の内容は、雇用法、税法、休暇法、料金設定のための計算など、会社設立
のための最低知識、それに会社を設立した時の資金的な条件などを要求する4択の
筆記試験と、原価計算、そして口頭試問であったが、結果は見事不合格。やはり講習を
受けなければならないと痛感し、受験勉強のために講習に通う事にする。受験予備校である。
ちなみにこの試験に合格すると、タクシー会社も設立できる。タクシー会社にはそれなり
の規制などがあるのだが。

先に述べた受験内容を詳しく、そして色々な裏技や試験の落し穴を教えてもらう。やはり
学校というものは便利である。特に、本当に勉強しよう、という者にとっては。いつでも
思う事だが、「これぐらい一生懸命高校時代に勉強していれば、医者でも教授でもなれた
だろうに…」などという事を考える。

二回目の試験では、原価計算が完全にできて、筆記試験で80点以上を取った人は口頭試
問が免除された。私は原価計算ができたのだが、筆記試験で80点を取れずに、口頭試問
があった。この口頭試問では三人の試験官がおり、交互に質問が出された。私は手形に対
する試験官の質問にへんてこりんな答えをしたり、営業税、と言う言葉がすぐに出てこな
かったりで、こりゃまただめかな?という感じがした。最後にチーフ試験官が、「結果は
後日お知らせ致します。」と発言する。「いや、この場で言って下さい。落してもらって結
構です。この次には絶対に合格しますから!」「じゃあちょっと外に出ていて下さい。皆で
相談しますから。」2〜3分待たされた所へそのチーフが顔を出し、大きな声で「オーケー
!」と言ってくれた。「有難うございます。いいクリスマスプレゼントになりました。」と
お礼を言い、試験場を後にする。90年の12月中頃の事だった。
その後、ミニバスを買ってリムジンサービス会社(個人ハイヤー)を起こしたのは、
その一年半後の92年5月のことになる。